個人情報の取り扱いに関わる同意書について

個人情報の取扱に関する法律

個人情報の取扱については、「個人情報の保護に関する法律」に基づき適正に取り扱うこととされている。

特に医療・介護関係事業者が行う措置の透明性の確保と対外的明確化が求められている。

個人情報の取り扱いに関わる同意書について

同意があっても必要な場面の利用に限られる

前項でも紹介していますが、重要事項説明書の最後の方に「個人情報の取扱に関する同意書」が綴じられているものが多くみられます。

ただし、個人情報を取り扱っていい場面は業務上、必要な場合のみであることは忘れないでください。介護業界で働くものは、利用者の個人情報はご家族との雑談の場面でも漏らしてはならないことは、よくご存知だと思います。

また、利用者のことならなんでも知りえてよい、というわけではありません。取り扱ってよい個人情報にも範囲があるので、以下にまとめます。

個人情報について説明する介護支援専門員

取り扱ってよい個人情報の範囲

  1. 氏名、性別、生年月日、住所、電話番号
  2. 現在の身体状況に関すること、ADL(日常生活動作)などに関して
  3. 生活歴
  4. 既往歴(医療情報など含む)
  5. 介護保険情報(これまでのサービスの利用状況など含む)
  6. 身元引受人の氏名と連絡先
  7. 本人の将来の希望などについて(ケアプランに関する情報)

上記以外のこと、たとえば隠しておきたい利用者の失敗談など、介護サービスを利用するうえで関係のないことを聞いたり、外部の人たちに漏らすようなことはしてはいけません。

また、3.に「生活歴」とありますが、あくまで生活歴を知るのは、本人の趣味や嗜好を探るためである、ということをわきまえておかなければなりません。最後の「本人の将来の希望などについて」は、むしろ積極的に本人に関わる人たちには伝えておくべきことでしょう。

★個人情報の取扱に関わる同意書の内容について★

利用者の個人情報については、以下に定める条件において必要最小限の範囲内にてしようすることについて、同意をします。

1、使用の期間

・居宅サービスの提供期間に準じます。

2、利用目的

・介護保険における、認定の申請及び更新または変更のため。

・利用者の介護計画に関わる介護サービス事業者との連携及び、サービス提供のために行われるサービス担当者会議での情報提供のため。

・医療機関、福祉機関、自治体、社会福祉事業団との連携のため。

・利用者が医療サービスを求めた場合、主治医からの意見を求めるため。

・行政の開催する評価会議、またはサービス担当者会議のため。

・その他サービス提供で必要な場合。

・上記に関わらず、緊急を要した場合。

3、利用の条件

・個人情報の提供は必要最小限のものとし、サービス提供に関わる目的以外決して利用しない。また、利用者とのサービス提供に関わる契約の締結からサービス終了後においても、第三者に漏らさないこと。

・個人情報を使用した会議の内容や相手方などについて経過を記録し、利用者からの求めがあればその内容を開示すること。

以上が例文になります。この後に利用者と身元引受人のサインとハンコをもらい、契約は全て終了になります。